みんな役割を分けあっている

東大生ブログ「東大みおりんのわーいわーい喫茶」

おととい、近所のクリニックでインフルエンザの予防接種を受けた。(ちょっといまさらだけど。)

 

病気で診察されるのと違い、予防接種の場合は処置室という部屋に通され、入ってすぐに女性のお医者さんが注射をしてくれた。ドアを開けてから出るまで、ものの2分。

…はやい!!

 

医療に携わっている方からすれば当たり前のことなのかもしれませんが、予防接種というのを久しぶりに受けたわたしは(前回受けたのはそれこそ受験生のときだったと思う)、「こんなにハヤワザなんだ!すごい!」と感動してしまいました。

 

そして帰り道で思った。

あの先生はこれまで、一体何回注射をしてきたんだろう。一体何回練習を重ねたんだろう。

初めて実際に人に注射を打つときは、きっと怖かっただろうな。

 

つまり、その日わたしに予防接種をしてくださるまで、たくさんの訓練や勉強を重ねてきたのだろうな、と思ったのです。

 

 

 

話は変わりますが、いまの部屋に引っ越してきたばかりの頃、部屋の電球が切れてしまったことがありました。慌てて電器屋さんに行き、もとの電球と同じ大きさのものを自分で選んで購入。しかし家でつけてみると、数日もたずにまた電球が切れてしまったんです。

電気に疎いわたしには、さっぱりわけがわかりませんでした。(だって、「パチン!」って言って突然切れたんだよ。)

 

しかたがないのでまた電器屋さんに行き、今度はお店の人に訊いてみることにしました。電球の口径(っていうのかな?大きさとか型)と、先日新品まで突然切れてしまったことを相談した。

すると店員さんは、「それ、もしかして調光機能のついた電気じゃありませんでしたか?」と言いました。

 

そうですそれそれ!なんでわかったの!?

 

確かに、わたしの部屋の電球はつまみをひねって明るさを調整するタイプのものでした。でも電球が切れた話を聞いただけで、どうしてわかったんだろう?

 

そこで店員さんはさらに、調光機能のあるタイプでは普通の電球をつけると切れてしまうことがあること、調光機能対応の電球を買わなければいけないことを教えてくれました。それ以来、わたしは間違えずに新しい電球を買えるようになったのです。

 

 

あの電器屋さんの店員さんも、予防接種を打ってくれたお医者さんも、自分の専門性を持っている。自分はこれが得意っていうものを持って、それを誰かのために役立てている。

 

わたしは就職活動やビジネスコンテストへの出場などを通して、自分に専門性がないことをとてもコンプレックスに感じるようになりました。

 

もちろんまだ学生で、そんなものはなくても当然なのかもしれない。でもやっぱり、自分はこれを研究していますと言える友だちはかっこいいし、研究職で就職する人たちにも憧れる。わたしはだいたいなんでも人並みにできるまで練習できるけど、極めたものがあるかというとかなり怪しい。(東大の法学部ではゼミや研究室に長期間所属するという仕組みがなく、卒業論文もないので自分の研究テーマを持ちにくい、というのもありますが。)

 

わたしが就職しようか迷っていた会社の一つで言われていたのは、「T字型の力をつける」ということです。

これはいわゆるジェネラリストとしての横に広い力(T字の横棒部分)と、スペシャリストとしての縦に深い力(T字の縦棒部分)の両方をつけるべきだということです。さらに、できれば縦棒は1本ではなく2本あると強いということも教わりました。

 

わたしは大学生活を通していろんなことをしてきました。20を超える種類のアルバイトやインターン、複数のサークル、自分で立ち上げた学生団体、自分で運営しているサービス・サイト、などなど。勉強面では、法学部に進学しましたが自分の興味のある学部学科の授業をいろいろ受けました。日本文学、社会心理学、教育心理学、生物学、などなど。

要は、T字の横棒がものすごく長くなっている状況なんです。圧倒的なジェネラリスト。

 

本当は、「これについて語りだすと止まらない!」みたいな、特化した何かが欲しい。でも、もともと聞き手の反応を見ながら話を考えてしまうタイプなのもあるし、どんなことにも興味を持つけどどれも深入りしない性格のせいで、そういうのがまだ全然ない。これから先、そういう「これだ!」というもの、専門性をいかんなく発揮できるものは見つかるんだろうか。

 

 

なんて、少し不安になりました。まあとりあえずやっぱり、一瞬で注射できる人ってめっちゃかっこいいな。わたしもやってみようかな。(危なすぎ!)

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